ダミーだよん♪
まぁ、折角なので小説を一本v






『Dear愛しの雲雀君

クフフッお久しぶりですね。
雲雀君は今日も元気に群れを咬み殺してますか?
僕は今日も元気に雲雀君と綱吉君の事を考えています☆
こう書くと君が凄く嫌そうに顔を歪める姿が簡単に思い浮かびますよ。
雲雀君は僕にもう少し優しくてもいいと思います!!
でも大丈夫です、僕はちゃんとわかってます。
雲雀君はちゃんと僕の事大好きですもんね!!
最愛の親友ですよね☆
クッフフ〜、素直じゃない君が口にできないのはわかってます♪
雲雀君ってばツンデ……』
グシャリッ。
最後まで読む事なく握り潰すと、雲雀はその可愛らしいピンク色の便箋をビリ
ビリに破り捨てた。
それを袋に入れて、しっかりと口を縛る。
「草壁」
「なんでしょうか、委員長」
そしてそれを部屋で雑務をこなしていた副委員長へと突き出した。
「コレ、焼却炉に捨ててきて。勿論ちゃんと火をつけてね」
灰も残さなくていいよ、と告げると、書類に紛れ込んでいたそれの事を綺麗に
頭の中から消去して、再び風紀の書類仕事へと戻るのだった。













黒曜ヘルシーランドでは骸と綱吉が向き合って座っていた。
犬や千種はいない。
今日一日は用事を言いつけているので戻ってくる事はないだろう。
「遅いですねぇ、雲雀君……」
不貞腐れたように呟く骸を見て、綱吉は溜息をついた。
「そもそもヒバリさんを呼び出そうってのが間違ってると思うんだけど」
「そうは言いますが!」
ムッとしたように骸は綱吉へと顔を向ける。
「雲雀君ってば僕が行くとまずトンファーが飛んでくるんですよ!?仕事の邪
魔しないでって……じゃあ来て貰うしかないじゃないですか!」
「普通に仕事してない時に行けよ」
呆れ返ったような綱吉の顔。
別に雲雀だって四六時中いつでも書類仕事をしているわけではないだろうに。
だがそんな綱吉の意見に骸が反論する。
「でも僕が応接室に行くといつも仕事中なんです!」
「じゃあ応接室以外で」
「見回り中なんです!」
「……家、とか」
「持ち帰りで仕事なんです!!」
「……………………」
綱吉は一度額に手を当て、それからじと目で骸を見遣った。
「お前、ただ嫌われてるだけじゃない?」
確かに綱吉が応接室に行っても書類仕事をしている事はある。
が、必ずではない。
ついでに外で会ったら必ず見回り中、なんていう事も当然ない。
骸の話を聞くと、どうも仕事中を口実に咬み殺そうとされているだけな気がし
た。
綱吉の言葉に骸はガーンッという効果音が付きそうなリアクションで立ち上が
ると、綱吉へと食って掛かった。
「何を言ってるんですか綱吉君!!僕と雲雀君は親友です!無二の親友なんで
す!!そんなわけないじゃないですかーッ!!!」
僕はこんなに雲雀君の事が大好きなのにー、と顔を覆う骸。
この反応からするに、おそらく自分でもちょっとそう思っていたのだろう。
綱吉はもう一度溜息をつくと、骸を慰める事にした。
「あ〜もう、悪かったって。いじけるなよ。ほら、相手はヒバリさんだしさ、
きっと骸と戦いたいだけなんだよ。あの人バトルマニアだし」
「グスッ……そ、そうですよね!仕方ないですよね、雲雀君、バトルマニアで
すし!!」
本人に聞かれたら、その瞬間に二人揃って咬み殺されそうだ。
だがともかく、いじけた骸など鬱陶しくて仕方がない。
少しは気分を持ち直したらしい彼に、綱吉はホッと胸を撫で下ろした。
「にしても本当に遅いな、ヒバリさん……なぁ骸。お前本当にヒバリさんの事
呼んだのか?」
それから時計を見て、言う。
骸が指定した時間からもう二時間。
雲雀は時間には律儀な方だから、おかしい。
そもそも彼がちゃんと来てくれる気があったなら、という注釈は付くのだけれ
ど。
「はい、ちゃんと手紙を出しましたよ」
こくり、と頷く骸。
ただ手紙という事は、答えは聞いてないのだろう。
「うーん、相手はヒバリさんだからなぁ。来る気ないんじゃないか?」
「そんな!?久しぶりに親友が会おうと言っているのに、そんなの酷いですよ
雲雀君〜」
またメソメソとし始める骸。
ともかく、雲雀にどんな内容の手紙を送ったのかが気になる。
綱吉も手紙を貰って来たわけだが、だからこそ少し嫌な予感がしていた。
「なぁ、手紙なんて書いたんだ?」
「普通ですよ?綱吉君に送ったのとそんなに差はないと思いますが……」
あ、ダメだ。
聞いた瞬間思った。





『Dear愛しの綱吉君

クフフッお久しぶりですね。
綱吉君は今日も元気にアルコバレーノに扱かれてますか?
僕は今日も元気に綱吉君と雲雀君の事を考えてます☆
こう書くと君が凄く呆れた顔をしているのが目に浮かびますよ。
思うんですけど、綱吉君最近僕に冷たくないですか?
雲雀君の影響ですか??
僕はそんな綱吉君だって大好きですけどね!!
だって僕達は最高の親友ですから☆
最近の綱吉君は突っ込みに手どころかファーストエディションまで入ってきて
ますけど、君がちゃんと僕の事親友と思ってくれてるのはわかってます♪
クッフフ〜、綱吉君って結局優しいですもんね!
大好きです♪
ちゃんと連絡位入れろって言ってくれたの、嬉しかったんですよ〜
あ、それでですね、この間ちょっと所要でイタリアに行ってきたのですが美味
しいお菓子買ってきたんです!
お土産です!!
持って行こうかなって思ったんですが、ここ暫く僕は日本にいませんでしたか
らね。
久しぶりに綱吉君と雲雀君と遊びたいです。
だから○月×日正午に黒曜ヘルシーランドに来て下さい!
あ、お菓子の他にもお土産あるんですよ。
雲雀君が群れ嫌いなので、千種と犬には用事を言いつけておきます。
クロームは友達ができたと言ってたので、会いに行ってると思いますよ。
クフフフフ、お二人に会えるのが楽しみです!
大好きです♪

君の至高の親友、六道骸』





これが綱吉に送られてきた手紙だ。
まず最初のクフフで読むのをやめようかと思った。
でもまぁ、なんだかんだと骸の事は友達だとは思っている。
親友かどうかは置いといて。
それにわざわざお土産も買ってきてくれたらしいし、と指定された日に来ては
みたが……雲雀は無理だろう。
あの人がこんな手紙で来てくれる筈がない。
いっそ果たし状の方が来てくれる可能性が高いんじゃないだろうか。
来てはくれても、その後は命がけのバトルになるだろうけど。
「ヒバリさんだもんなぁ……まぁいいや、電話借りるぞ、骸」
言って部屋の隅に取り付けられている固定電話へと向かう綱吉。
なんでこんな廃墟に固定電話なのだろうとは思うが、あるんだから仕方ない。
いくらここを日本での拠点として使っているとはいえ、普段イタリアやら何や
らあちこち行っているのだから携帯にすればいいのに、と思わないでもないの
だが。
とにかく雲雀の携帯の番号は覚えている。
電話をかけて数コール。
『何』
簡潔な応答があった。
「あ、ヒバリさん、オレです」
『ああ、綱吉か。どうしたの』
この人とこんな普通に会話できるなんて、数ヶ月前までは考えられなかったな。
頭の片隅で思いながらも続ける。
骸にも聞こえるよう、スピーカー機能を使っての通話。
「今何してるんですか?」
『何って、見回りだけど』
「……えっと、じゃあ骸の誘いは断るって事でいいんですか?」
綱吉の確認の言葉に、骸が絶望したような表情を浮かべた。
だが今の雲雀の返答からも、来るつもりはないと思える。
約束の時間はとっくにすぎているのだから。
しかしスピーカーを通した雲雀の声は、怪訝そうなもの。
『誘い?何それ。知らないよ』
「へ?」
綱吉は間の抜けた声を出して、骸を見た。
先程手紙を出したと言っていたのに……いや、手紙という事は見ていない可能
性もあるのか。
と、そこで骸が受話器に向かって声を上げた。
「何言ってるんですか雲雀君!!ちゃんと手紙出したでしょう!?」
『何、六道もいるの。手紙?……あぁ』
少し嫌そうな響きの声。
その後に手紙、という言葉を不思議そうに呟いて、合点がいったのか納得した
ような声が漏れる。
『気色悪い手紙なら半分も読まないで破いて焼いたけど』
「焼いたって何ですかー!!???」
捨てたですらない。
酷いです酷いですと騒ぐ骸。
それを横目に綱吉は思う。
気色悪い……うん、気色悪い。
でも骸が変態っぽいのはいつもの事だ。
というか。
「せめて最後まで読んであげましょうよ、ヒバリさん……」
一応友達なんですから。
そう呟いた声は骸の叫びにかき消されて、綱吉は軽く肩を竦めるのだった。











お帰りはこちらから♪



最後まで読みましょうという……最後まで読んであげて下さいというお話第三
弾です(お願いになった!?)
こんなですが、ちゃんと雲雀さんと骸の間にも友情は存在してますよ?多分←
何だかんだで仲良し三人が好きなんでvV
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